アンサンブル・フロイント Q&A

アンサンブル・フロイント Q&A

2004年12月16日

アンサンブル・フロイントのご質問に対し(元)ゼネラル・マネージャーの大石が軽快にお答えいたします。
アンサンブル・フロイントの意外な真実がわかるかも?

初代ゼネラル・マネージャー/オーボエ奏者 大石 聡(おおいし さとる)

 もう一度オーケストラで、と思うのだけど

 演奏会という目的がないと、自己満足に陥ってしまうんじゃないでしょうか?

 フロイントは何を目標にして、どのように運営されているのですか?

 フロイントを「体験」することはできるのでしょうか?

もう一度オーケストラで、と思うのだけど

 以前、学生の頃にオーケストラに所属していたことがあります。難しいことは分からなかったけれども、ただ夢中で音楽に没頭していたことを懐かしく思い出します。
 最近少し時間ができて、楽器を手にして近くのアマチュア・オーケストラに参加してみたのだけれど、以前と違ってオーケストラにつきものの些細なあれこれが、何だか「しっくりこない」ように感じられてしまい、音楽に集中できないような気がして、自然と足が遠のいてしまいました。
 時折ピアノの友人と合わせてみたりはしているのですが、オーケストラのことを忘れ難い自分を感じています。ときおり、インターネットでアマチュア・オーケストラの団員募集をちらちら眺めたりして、ため息をついています。

アンサンブル・フロイントのウェブサイトへ、ようこそ。

 オーケストラで音楽するときの、あの複雑極まりない「コミュニケーションの快感」をひとたび知ってしまうと、その記憶を消し去ることはできないんじゃないかと思います。合奏の熱気、そして皆が一体となった際の充実感。そうしたものをあなたがうまく味わえないままに「寂しい思い」を持て余しておられるのは、僕も残念な気持ちです。
 「しっくりこない」というあなたのおっしゃりようは漠然としていますけれども、何となく分かるような気もします。僕自身がかつて、そのような「しっくりこない」感じを味わって複数のオーケストラを彷徨っていたからです。
 アマチュア・オーケストラには純粋に「音楽を楽しみたい」人たちが集っているはずなのに、何かその「熱意」の向けられている方向が違うような気がする。どうして、ただ夢中に「音楽すること」に没頭できないのだろう。音楽することにまつわる様々な些細なことが、どうしてこんなに「煩わしく」感じられるのだろう。そのような「悩み」を、かつて僕も自分のものとして抱え込んでいたことがあったのです。
 でもフロイントの生成に参加する中で、僕のそのような「悩み」はいつしか解消されてしまいました。現在のフロイントの有り様には、ただ音楽に夢中でありたかった僕のような人間が「しっくりくる」ような、いくつかの「重要な工夫」が含まれているような気がします。

演奏会を目的にしないと「練習にならない」こと、ないですか?

 仕上げていく気もなく、ただ漫然と「合わせよっか」って仲良しごっこやってても、いつまでも「上達」しないし、それはそれでお気楽かも知れないけど、やっぱり本当の意味で「楽しくない」んじゃないですか?
 そういうのって、ただの「自己満足」なんじゃないか、って思ってしまうんですが。

「自己満足」を目的にするの、僕は悪くないと思うのですが。

 だって、自分の「演奏したい」っていう欲求を満たすために、みんなオーケストラに集まってくるんですから。誤魔化さずに、とことんまで「自分を満たす」ために演奏すれば良いのではないでしょうか。
 もちろん、真剣にやらずに、漫然と「合わせよっか」ってやってても、面白くはないでしょうね。でも、お客さんに聴かせることを目的にしないと「真剣になれない」なんてことはないんじゃないでしょうか。それこそベートーヴェンやモーツァルトに「聴かせるつもり」で真剣にやる、ってのはどうでしょう。
 アマチュア・オーケストラがホールを借り切って、年に2回も3回も「定期的」に演奏会をするのは、本当に大変でしょうね。でも、生活がかかっている「プロ」ならいざしらず、何で僕たちアマチュアが「定期演奏会」なんかしなくちゃならないんだろう?
 好きな曲を、好きなときに、心ゆくまで演奏している「自由」が我々アマチュアにはあるというのに。演奏会しないと決めたら、「パートが足りない」なんていわないで、歯抜けのまま「大曲」に挑んでも全然平気だし、足りないパートは頭で謳ってしまえば充分楽しめます。適当にアドリブを入れたり、好きな部分だけ何回もリピートしたりしても、「そんなの変だよ」とか「譜面通りじゃない」とか文句いう客も居ません。ただ自分たちのやりたいように演奏を楽しんで全然「構わない」というのに。
 そんな風に「自己満足」して、いったい何が悪いんでしょうか?

演奏会が目的でないのなら、フロイントはいったい何を目標にやってるんですか?

 ホントに毎回集まって、その場で練習してるだけなの?
 どんな選曲をして、運営方針なんかはどのように決めているのですか?

ホントに毎回集まって、ただ「真剣かつ親密」に合奏してるんですよ。

 いっときますが「練習」してるんじゃありません。毎回「本番」してるんです。一回こっきりの「一期一会」の演奏を、究極の自己満足目指して繰り返しているんです。

 フロイントの運営は「何となく」行われています。

 音楽監督の他に「団長」という人がいて、フロイントで「一番エライ人」と位置づけられているのですが、位置づけられているだけで特に何かの具体的「権限」があるわけじゃありません。純粋に機能だけを見れば団長というのは「連絡係」或いは「雑用係」であるような気がします。団の「顔役」のようなものでしょうか。私は「マネージャー」ということになっていますが、メーリングリストを管理して、アドレスを外部にオープンにしているだけで、実質何もしていませんしね。何もすることがないんですよ、実際。
 団費は自発的にみんなから払い込まれますから徴収しませんし。月当たり2,500円と決められてはいますが、参加できなかった月は払わないのも「あり」だし、「今月ピンチなんで」とかいうのも「あり」なので、滞納も未払いも原理的に「存在しない」のです。
 演奏会を目的としないので「出席」なんかも気にしませんし、社会人で仕事が忙しいときもあれば、個人的に大変なときもあるでしょうから、みんな足繁く来たり、あまり来られなかったり色々ですしね。大体、誰がどのようにどの程度「正団員」であるのか、その正確な「定義」がないので、誰にも正確には把握できていないのです。

 何の曲をやるのかは、たいてい誰かが「言い出しっぺ」になって決まります。投票して「決を採る」こともありますし、「あいつがあんなにやりたがってるなら」と流れで決まることもあります。
 もちろん、選曲会議して決まった曲を延々毎週練習して、本番に向けて「整える」ようなことは全然やりません。それでも、ある曲の繰り返し演奏されるうちに「煮詰まって」くることもあって、そうなると「いっちょお客さんの前でやってみるべぇ」的に演奏会が企画されたりもします。別に、お客さんに演奏の真価を問うて拍手してもらうための「発表会」をするわけじゃありません。形を為してきた演奏が、観衆に参加してもらうことによって「スパーク」する様を、お客さんと一緒に楽しむための「演奏会」です。
 フロイントの本当の意味での「コア」な行事は、むしろ「演奏会」ではなくて「合宿」なのかもしれません。もちろん、それは演奏会の準備としての「強化合宿」などとは全然違います。フロイントの所有する大量の譜面(譜面だけはむやみにある)が用意され、団員達のリクエストに従ってそれらが「片っ端から」演奏されてゆくのです。朝から晩まで、ひたすら気力と体力の続く限り「演奏」は続けられます。それは出鱈目な乱痴気騒ぎの「お祭り」のようでもありますし、音楽を巡る「荘厳な巡礼」のようでもあります。それは「楽しい」という言葉ではとても言い表せない、深い充実感を伴う音楽体験であるような気がします。

 要するに、フロイントはただひたすらに「音楽」しているのです。

フロイントを「体験」することはできるのでしょうか?

 半信半疑だけど、そういう不思議なオーケストラが具体的に存在している、ということは何となくわかってきました。一般的にいうところの「ふつうのオーケストラ」では全然ないけれども、でもどこよりもアマチュア・オーケストラ「らしい」といえば、らしいオーケストラであるような気もしないでもない、かな?
 私にもフロイントの音楽を「体験してみる」ことができるのでしょうか。

フロイントは、ゲスト参加に「フリー」な立場をとっています。

 もちろん、オーケストラとしてのフロイントは2管編成の40人規模程度のオーケストラですから、無制限に人を受け入れて拡大するわけにもいきません。でも毎週土曜日の合奏に、興味を持たれた方がゲスト参加することは歓迎します。
 我々は「練習」しているわけではなく、毎回その場限りの「本番」を繰り返しています。だからこそ、誰がいつ参加しても、その時々の「真剣な営み」に於いては、その人を「フロイントのフルメンバー」として受け入れて違和感がないのです。楽器を持って、どうぞ我々の合奏にお越し下さい。

 いつでも、お待ちしています。

※「団員募集」のページもご覧下さい。

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最高の芸術に触れた喜び、それだけに満足する集団。ありきたりの定義をすると、40人程度の室内管弦楽団(chamber orchestra)です。市民オケ・学生オケの多くがかなりの大編成であるなかちょっとは珍しいけど、この楽団の売りはそんなことではありません。
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「アンサンブル・フロイント」って何ですのん?
最高の芸術に触れた喜び、それだけに満足する集団。ありきたりの定義をすると、40人程度の室内管弦楽団(chamber orchestra)です。市民オケ・学生オケの多くがかなりの大編成であるなかちょっとは珍しいけど、この楽団の売りはそんなことではありません。
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今週の合奏などの様子を簡単にお知らせします。また、運営からのお知らせなどもこちらからどうぞ。
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アンサンブル・フロイント活動予定&Access
原則第2・第4土曜日※ 18:00-21:00(合奏は大体19:00から始めています。※変更になる場合があります)活動日程は「今週のフロイント」でご確認ください。見学の方は事前にご連絡くだされば、当日の連絡先をご案内します。
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